MH21-Sロゴ 砂層型メタンハイドレート研究開発

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志摩半島沖における試掘・簡易生産実験の終了について

 MH21-SメンバーのJMHは、経済産業省資源エネルギー庁の国内石油天然ガス地質調査・メタンハイドレート研究開発等事業(メタンハイドレートの研究開発)(以下「本事業」)の一環として行う試掘・簡易生産実験調査(以下「本調査」)を、8月8日に終了しました。

調査船: 地球深部探査船「ちきゅう」
傭船期間:2023年5月29日~8月8日 合計72日間(予定65日)
調査期間:2023年6月7日~8月6日 合計61日間
調査海域:志摩半島沖

 志摩半島沖で確認された2つのメタンハイドレート濃集帯において、各1坑井の試掘を行い、濃集帯を含む地質情報(検層データ)を取得しました。試掘した1坑井では簡易生産実験として、約5日間のフローテストをおこない、メタンハイドレートの分解前・分解初期のガス・水生産挙動に関する貴重なデータを取得しました。他の1坑井では、簡易生産実験を開始したものの5日間のフローテストを実施することができませんでした。

 今後、取得されたデータの解析を進め、近傍の坑井の地質情報と合わせ、詳細な解析を行い、濃集帯評価を実施し、次回海洋産出試験実施地点選定に向けた対応を検討してまいります。本調査においてさまざまなトラブルもあり、上述したように 2 坑井目で5日間のフローテストを実施することができませんでした。これらトラブルの原因究明と今後に向けた対応策を策定するため、作業内容および手順を改めて整理・確認のうえ、第三者による評価検討会などを通じて、次回海洋産出試験に資する情報として取りまとめてまいります。

 今回の調査におきましては、漁業関係者の皆さまをはじめ、地域の皆さま、関係自治体および関係機関の皆さま、さらに作業外注先の企業の皆さまのご理解とご協力をいただきながら、無事故無災害で72日間にわたる調査を実施することができました。ここに皆さまのご理解とご協力に対し感謝申し上げます。

【背景】
 メタンハイドレートは、メタンガスと水が低温・高圧の特定の条件下で氷状の固体として形成される物質で、主に極地(永久凍土地帯)の地層中や大水深エリアの海底面下の比較的浅い層などに存在しています。日本周辺海域に存在が確認されており、過去2回、渥美半島から志摩半島の沖合(第二渥美海丘)において海洋産出試験を実施していますが、数週間程度の連続生産を実現したものの、メタンハイドレートの分解範囲は坑井周辺に限られ、⾧期的な傾向は確認できておりません。

 将来の商業化に向けては、有望濃集帯において中⾧期間での海洋産出試験が必要と考えられており、当該海洋産出試験の候補地選定に資する地質・生産性データの取得を目的として本調査を実施しています。

 本調査においては、JMHが海上作業を実施しましたが、取得した地質・生産性データの解析や評価作業は JOGMEC や AIST が実施するなど、MH21-S としても総力をあげて実施しています。

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