MH21-Sロゴ 砂層型メタンハイドレート研究開発

文字サイズ
印刷する

志摩半島沖における試掘・簡易生産実験の開始について

 MH21-SメンバーのJMHは、経済産業省 資源エネルギー庁(以下「資源エネルギー庁」)の国内石油天然ガス地質調査・メタンハイドレート研究開発等事業(メタンハイドレートの研究開発)(以下「本事業」)の一環として行う試掘・簡易生産実験調査(以下「本調査」)を、6月7日に開始しました。

 本事業は、2001年度から2018年度の間にフェーズ1からフェーズ3として実施され、さらに2019年度からはフェーズ4として実施されており今年度がその最終年度です。
 資源エネルギー庁により取得された三次元基礎物理探査データを解析した結果、志摩半島沖に有望濃集帯候補が存在することが推定され、2021年度と2022年度の調査井掘削の結果、志摩半島沖にメタンハイドレート濃集帯が存在することが確認されました。
 そこでJMHは、鉱業法の特定区域制度に基づき、海洋においては初めてとなる試掘権を取得し、本調査を実施することとなりました。

【 調査船 】地球深部探査船「ちきゅう」
【傭船期間】2023年5月29日~(65日間予定)
【調査海域】志摩半島沖
【調査目的】メタンハイドレート濃集帯が次フェーズ海洋産出試験の実施に適しているかどうかを評価するための地質・生産性に係るデータの取得
【調査概要】メタンハイドレート濃集帯の2地点において、それぞれ5日間の簡易生産実験を実施


 掘削終了後は本調査で得られたデータの解析・評価作業を実施いたします。解析・評価結果は次の海洋産出試験実施地点の選定、そして商業化に向けた検討の基礎データとしての利用が期待されます。
 
 漁業関係者をはじめ、地域の皆さま、関係自治体および機関などのご理解とご協力をいただきながら、安全最優先で作業を進めてまいります。

【背景】
 メタンハイドレートは、メタンガスと水が低温・高圧の特定の条件下で氷状の固体として形成される物質で、主に極地(永久凍土地帯)の地層中や大水深エリアの海底面下の比較的浅い層などに存在しています。日本周辺海域に存在が確認されており、過去2回、渥美半島から志摩半島の沖合(第二渥美海丘)において海洋産出試験を実施していますが、数週間程度の連続生産を実現したものの、メタンハイドレートの分解範囲は坑井周辺に限られ、長期的な傾向は確認できておりません。
 
 将来の商業化に向けては、有望濃集帯において中長期間での海洋産出試験が必要と考えられており、本調査により候補地選定に資する地質・生産性データの取得を目的としています。
 

 本調査においては、JMHが海上作業を実施しますが、取得した地質・生産性データの解析や評価作業はJOGMECやAISTが実施するなど、MH21-Sとしても総力をあげて実施します。

Contents

Copyright © 2002-2020 MH21-S R&D consortium All Rights Reserved.
ページトップへ戻る