MH21-Sロゴ 砂層型メタンハイドレート研究開発

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米国アラスカ州で坑井の掘削作業を開始 -長期陸上産出試験に向けた現場作業が始動-

MH21-SメンバーのJOGMECは、米国エネルギー省傘下のエネルギー技術研究所と協働でアラスカ州ノーススロープのプルドーベイ鉱区において、メタンハイドレートの長期陸上産出試験に向けて準備を進めてまいりましたが、この度、アラスカ州天然資源局より作業実施に必要な許認可を取得し、2022年10月9日(現地時間)より長期陸上産出試験に使用する坑井の掘削作業を開始しました。

JOGMECは、米国エネルギー省(U.S. Department of Energy:DOE)傘下の国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory:NETL)と協働で、2018年12月に米国アラスカ州ノーススロープのプルドーベイ鉱区(Prudhoe Bay Unit、以下PBU)において実施した試掘調査にてメタンハイドレートの賦存を確認したことから、当該鉱区で長期陸上産出試験を実施する準備を進めてまいりました。

今般、アラスカ州天然資源局(State of Alaska Department of Natural Resources、以下DNR)より、PBUで掘削作業を実施するための許認可が得られたことを受け、データ取得井(モニタリング井としても使用予定)1坑および生産井2坑の計3坑の掘削を10月9日(現地時間)より開始しました。長期陸上産出試験では、今般掘削する3坑に加え、モニタリング井として使用予定の試掘井(2018年に掘削済み)も含めた、計4坑を使用し、長期(約1年を目標)の生産挙動に係るデータを取得する計画です。

本プロジェクトは、DNRおよびPBU鉱区権者(Hilcorp North Slope社、ExxonMobil Alaska社、 ConocoPhillips Alaska社、 Chevron USA社)の協力のもと、国際的な協力体制を構築して実施されています。

【背景】
メタンハイドレートは、メタンガスと水が低温・高圧の特定の条件下で氷状の固体として形成される物質で、主に極地(永久凍土地帯)の地層中や大水深エリアの海底面下の比較的浅い層などに存在しています。日本周辺の海洋にも存在し、過去2回、渥美半島から志摩半島の沖合(第二渥美海丘)において海洋産出試験を実施していますが、数週間程度の連続生産を実現したものの、メタンハイドレートの分解範囲は坑井周辺に限られ、長期的な傾向は確認できておりません。
将来の商業化に向けては、長期の生産挙動を見極めることは不可欠であるため、海洋に比べて相対的に試験の制御が容易でインフラの整っているアラスカ州陸上での長期産出試験を計画しました。同試験では、長期生産挙動データの取得に加えて、技術的課題の解決策の検証、長期生産に伴う課題の抽出、等を目的としています。

なお、本プロジェクトは経済産業省資源エネルギー庁からの委託事業として実施されています。

■参考
DOEニュースリリース(英文)(2022年10月20日)(追記)
U.S. Department of Energy and Partners to Test Gas Hydrates Reservoir Response on Alaska North Slope

DNRニュースリリース(英文)(2022年8月4日)
Drilling agreement for major scientific research on North Slope

第39回メタンハイドレート開発実施検討会 (2022年6月23日開催、経済産業省)
資料4 アラスカ長期陸上産出試験プロジェクト進捗状況ついて

ニュースリリース(2021年8月4日)
国産資源としての期待が高まるメタンハイドレートの長期陸上産出試験実施へ
~アラスカ州での産出試験実施に向けて米国エネルギー技術研究所との合意書を改訂~

ニュースリリース(2019年1月24日) 
米国アラスカノーススロープでメタンハイドレートの試掘井掘削を完了

米国アラスカ州で坑井の掘削作業を開始 -長期陸上産出試験に向けた現場作業が始動-

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