環境チームの目標と課題

目標

非在来型資源であるメタンハイドレートの開発が環境に及ぼす影響について科学的に説明し、環境影響リスクを最小化するための海洋開発システムを検討するため、フェーズ1に続き、環境影響評価に関する研究開発を実施する。

なお、これまで個別のグループで実施してきた環境分野の研究については、フェーズ2以降はMH21研究コンソーシアム内の総合的な知見を結集して取り組むこととする。

また、メタンハイドレート開発の環境に与える影響について総合的かつ中立的な評価を行うため、外部有識者による諮問を受ける体制を構築して、研究開発を進めるとともに、プロジェクト実施者として適切な説明責任を果たすため、得られた知見を積極的に公開し、プロジェクトへの理解促進を求めていくこととする。

  • 環境リスクの分析と対策の検討
  • 環境計測技術の開発
  • 海洋産出試験における環境影響評価
  • メタンハイドレート層開発における環境の総合評価と最適化検討

研究開発内容

  • 環境リスクの分析と対策の検討

在来型の石油天然ガス資源開発の知見をベースとし、さらに大水深浅層で行なわれるメタンハイドレート開発の独自性を考慮に入れて、メタンハイドレートの海洋産出試験、及び商業化における海洋開発システムが環境に及ぼす可能性のあるリスクを抽出し、その特性を明らかにして定量的なリスク評価を実施する。また、その結果に基づき、影響を軽減する処置及び、発生時の対応策などのリスクマネージメントプランを立案。

  • 環境計測技術の開発

フェーズ1で実施したメタン漏洩センサーを実海域で使用できる装置とするなど、海域でのメタンハイドレート開発における環境影響評価を検討するために必要な大水深における長期間かつ広域を対象とした環境指標計測技術の開発を継続する。

また、開発した装置及び既存の装置を組み合わせて、海洋開発システムにおける環境リスクに最適化された環境計測手法のコンセプト策定を進める。

  • 海洋産出試験における環境影響評価

開発に伴う環境への影響評価のモデルケースとして、海洋産出試験が環境に与える影響を具体的に評価する。そのために、海洋産出試験における海底環境調査や生態系調査で得られたデータを元にして、環境データベースの整備を進め、環境影響の事前評価を実施し、試験時及びその後の環境モニタリング結果を総合的に評価して、適宜公表する。

  • メタンハイドレート層開発における環境総合評価と最適化検討

メタンハイドレート層開発が海洋及び地球環境に与える長期的・総合的影響を、正の側面も含めて検討する。そのための情報収集と評価を継続的に実施する。

また、海洋産出試験における環境影響の総合評価を通して、メタンハイドレートの商業生産における海洋開発システムの環境影響を評価する手法を、経済性を勘案しながら最適化するための検討を行う。

フェーズ2の達成目標

達成目標(平成23年度) 達成目標(平成27年度)
環境影響評価に関する研究開発
環境リスクの分析と対策の検討

海洋産出試験に伴うリスクの抽出を完了させる。さらに、海洋産出試験に伴うリスクの特性を把握し、予想されるリスクに対するリスクマネージメントプランを策定する。

2回の海洋産出試験の結果を受けて、商業生産時のリスク抽出が完了し、商業生産時のリスク対応案を提示する。

環境計測技術の開発

開発が必要なモニタリング用センサーを抽出し開発計画を策定する。

海洋産出試験でのモニタリングのコンセプトを完成させ、リスクとオペレーションに適合した最適なシステムを使用できる状態にする。

商業生産において必要なセンサー類を抽出し、商業生産におけるリスクに適合した最適なモニタリングシステムのコンセプトを提示する。

海洋産出試験における環境影響評価

メタンガス漏洩・地層変形等について事前評価を行なう。

海底環境及び生態系調査に基づき、モデルの利用を通じて環境影響の予測と対応策を策定する。

海洋産出試験の環境影響評価の評価書を作り、内部評価を実施する。

海洋産出試験結果の評価から予測手法の正当性を評価し、海洋開発システムに対する環境影響評価手法の最適化を行なう。

メタンハイドレート開発における環境総合評価と最適化検討

メタンハイドレート研究に関する最新情報の収集を行い、環境への影響評価を検討する。

海洋産出試験結果とこれまでの成果を踏まえて、商業生産時の環境影響評価手順を提案する。