フェーズ2の基本方針と体制

フェーズ2の考え方

フェーズ1では、東部南海トラフ海域をモデル海域とした詳細な調査の結果、砂泥互層の砂層の孔隙にメタンハイドレートが大きい飽和率で賦存するメタンハイドレート濃集帯が存在することを明らかにし、同海域のメタンハイドレート層のメタンガス原始資源量を算定した。

また、東部南海トラフのメタンハイドレート層に最適な生産手法として、室内実験・シミュレーションにより、減圧法が効果的であることが分かり、陸上産出試験により、その有効性が実証された。これらの成果により、我が国近海のメタンハイドレート層のメタンガスがエネルギー資源になり得る可能性が得られた。

フェーズ2では、フェーズ1終了時に認識された技術課題を踏まえ、我が国周辺海域での海洋産出試験の実施等の研究開発を通して、メタンハイドレート層のメタンガスがエネルギー資源となり得る可能性をより高い信頼性で評価するとともに、メタンハイドレート層の商業的開発のための技術の整備に必要となる技術課題の抽出を行う。なお、経済産業省が策定した「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」の最終段階となるフェーズ3では、技術課題の克服手段の提示と経済性の検討を通じて、商業化のための技術の整備を行うとともに、状況によっては、官民共同でより商業化に近い規模の産出試験を実施することが想定される。

なお、フェーズ2では、海洋産出試験の実施等、フェーズ1に比べて規模が大きく、実証的な課題が多くなることから、引き続き産学官で連携した実施体制を構築するとともに、石油・天然ガス資源開発会社との連携をより深めることを目指す。また、広く一般への広報活動等に取り組み、国民の理解を得つつ実施していくこととする。

フェーズ2の目標

フェーズ2の目標として、以下の5項目を設定する。

  1. 海洋産出試験の実施による生産技術の実証と商業的産出のための技術課題の抽出。
  2. 経済的かつ効率的な採収法の提示。
  3. 我が国周辺海域でのメタンハイドレート賦存状況の把握。
  4. 海洋産出試験を通じた環境影響評価手法の提示。
  5. 我が国周辺海域のメタンハイドレート層が安全かつ経済的に開発できる可能性の提示。

フェーズ2の研究課題

フェーズ2の目標を達成するため、以下の研究分野を設定し、研究開発課題に取り組む。詳細は、「各G別の目標と課題」を参照されたい。

フィールド開発技術に関する研究

  • 海洋産出試験の実施
  • メタンハイドレート資源フィールドの特性評価
  • 海洋開発システムの検討
  • 第2回陸上産出試験の解析と長期試験の実施

生産手法開発に関する研究

  • 生産手法高度化技術の開発
  • 生産性・生産挙動評価技術の開発
  • 地層特性評価技術の開発

資源量評価に関する研究

  • 日本周辺海域のメタンハイドレート賦存状況の評価
  • メタンハイドレートシステムの検討

環境影響評価に関する研究

  • 環境リスクの分析と対策の検討
  • 環境計測技術の開発
  • 海洋産出試験における環境影響評価
  • メタンハイドレート層開発における環境の総合評価

<経済性の評価>

その他の取り組み

  • 国際連携の推進

フェーズ2の期間

フェーズ2の実施期間は、経済産業省の方針に基づき平成21年度から平成27年度までの7年間とする。

このうち、フェーズ2前半(平成21年度から平成23年度)は、海洋産出試験の準備と国際協力による陸上産出試験の実施を想定し、これらの成果に対しては平成23年度に予定されている、経済産業省のプロジェクト評価(フェーズ2中間時)を受ける。

フェーズ2後半(平成24年度から平成27年度)は、海洋産出試験(2回を想定)に取り組み、これらの成果に対しては平成27年度に予定されている、経済産業省のプロジェクト評価(フェーズ2最終時)を受ける。

フェーズ2の実施期間
フェーズ2の実施期間

フェーズ2の体制

フェーズ2の遂行にあたっては、(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構、(独)産業技術総合研究所の2者が、プロジェクトリーダー増田昌敬東京大学教授の下に新たなメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21研究コンソーシアム)を組織して、研究開発に取り組む。なお、コンソーシアムの名称は、これまでの認知度を踏まえて、フェーズ1と同じ名称を踏襲する。

MH21研究コンソーシアムには、意思決定機関である運営協議会とともに、研究開発を推進するための4つのグループ(推進グループ、フィールド開発技術グループ、生産手法開発グループ、資源量評価グループ)を設置する。なお、環境影響に関する研究については、海洋産出試験に取り組むフェーズ2で重要性が増すことから、推進グループの統括のもとMH21研究コンソーシアム全体で取り組むこととし、また、外部有識者から助言を受ける体制を構築して、研究開発を進める。

MH21研究コンソーシアムの企画、運営、広報等は、推進グループが担当する。なお、推進グループは、環境影響に関する研究のほか、経済性の評価についても統括する。さらに、技術者のオープンな意見交換を促すため、MH21研究コンソーシアム内に技術連絡会を設けることとする。

フェーズ2の体制
フェーズ2の体制