経緯

昨今のエネルギー事情

我が国は、一次エネルギーの80%以上を海外からの輸入に依存しており、その大部分は、原油・天然ガス・石炭などの化石燃料が占めている。また、原油は中東地域、天然ガスはアジア・太平洋地域への依存度が高いことも特徴である。

このため、我が国では、エネルギー安定供給の観点において、資源の自主開発比率の向上と供給源の多様化が喫緊の課題である。

特に天然ガスは、原油や石炭に比べて燃焼時の二酸化炭素や硫黄酸化物などの排出量が少ないクリーンなエネルギー資源であることから、我が国においても積極的に導入促進を図ることとしているが、天然ガスはインドなどを中心に世界的にも大幅に需要が拡大しており、獲得競争が激しくなっているのが現状である。

このような中、非在来型の天然ガス資源のひとつであるメタンハイドレートは、我が国周辺海域に相当量の賦存が見込まれており、メタンハイドレートの生産技術が確立され、商業化が実現すれば、我が国のエネルギー安定供給に極めて貢献する新たな国産エネルギー資源になるものとして期待されている。

我が国のメタンハイドレート研究への取組

前述のようなメタンハイドレート生産技術が有するエネルギー政策上の重要性に鑑み、経済産業省は、平成13年度に「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」を発表した。

同計画は平成30年度までの18年間の計画(当初計画では、平成28年度までの16年間であったが平成20年度の中間評価時に変更)となっており、基本方針として「我が国周辺海域に相当量の賦存が期待されるメタンハイドレートについて、将来のエネルギー資源と位置づけ、その利用に向け、経済的に掘削・生産回収するための技術開発を推進し、エネルギーの長期安定供給確保に資する」とし、段階的目標として以下の6項目を提示している。

  1. 日本周辺海域におけるメタンハイドレートの賦存状況と特性の明確化
  2. 有望メタンハイドレート賦存海域のメタンガス賦存量の推定
  3. 有望賦存海域からメタンハイドレート資源フィールドの選択、並びにその経済性の検討
  4. 選択されたメタンハイドレート資源フィールドでの海洋産出試験の実施
  5. 商業的産出のための技術の整備
  6. 環境保全に配慮した開発システムの確立

同計画では、上記目標を達成するために、3段階のフェーズ・アプローチを提案しており、平成13年度から平成20年度までの8年間をフェーズ1として、上記1.2.3.の目標を達成し、平成21年度から平成27年度までの7年間のフェーズ2では、4.の目標を達成することになっている。

開発計画スケジュールの変更
開発計画スケジュールの変更

我が国におけるメタンハイドレート開発計画
我が国におけるメタンハイドレート開発計画

なお、同計画の策定後、我が国における将来の国産エネルギー資源としてのメタンハイドレートに関する関心が高まり、平成17年4月に閣議決定された京都議定書目標達成計画には、メタンハイドレートにかかる技術開発の推進が記されている。

更に、平成19年3月に閣議決定されたエネルギー基本計画および平成20年3月に閣議決定された海洋基本計画には、メタンハイドレートの商業化を目指した取り組みが記されており、さらに、メタンハイドレートに加え、石油・天然ガス資源、海底熱水鉱床について海洋基本計画に基づく、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画が平成21年3月に策定された。