メタンとは何か?

メタンハイドレートは一語ではありません。「メタン」と「ハイドレート」の二語で構成されています。ハイドレートについては後々、ご説明しますが、ここでは「メタン」に着目してみましょう。

メタン

「メタン」という言葉から次のような発想をされる方がいらっしゃると思います。

  • 燃える?
  • メタン、エタン、プロパン、ブタン?
  • 臭い?

これらについてご説明しましょう。

  • 「燃える?」

はい、燃えます。メタンはわれわれが住んでいる環境では、ガスの状態で存在する燃えるガスです。

ガスコンロをひねると出てくる都市ガスの90%以上はメタンであり、身近に存在する物質です。

  • 「メタン、エタン、プロパン、ブタン?」

高校で習ったフレーズかもしれません。メタン、エタン、プロパン、ブタンは、炭素と水素が結びついた炭化水素という物質の仲間です。

プロパンガスは都市ガス以外の家庭でよく使われている燃えるガスですね。

  • 「臭い?」

これは誤解です。メタンは無臭です。燃えるガスは匂う、という先入観から派生したものだと思います。

都市ガスの90%以上はメタンですが、ガス漏れ時の判別のため、別の物質で匂いを意図的につけているのです。

メタンについて、その他の情報を加えて、下記のようにまとめさせていただきます。メタンハイドレートを理解する上で重要なので、是非覚えていただければと思います。

  1. メタンは燃えるガスである。
  2. メタンは炭素と水素が結びついた炭化水素という化合物で、炭素1個と水素4個から構成されている。
  3. メタンは無臭。
  4. メタンは都市ガスの主成分であり、われわれが身近に使っているエネルギー資源である。


天然ガス

都市ガスに利用することもできるメタンは、われわれにとって重要なエネルギー資源です。メタンはどこから採取されるのでしょうか?

メタンは主に天然ガスというエネルギー資源の中に含まれています。天然ガスは都市ガスや発電に利用されています。天然ガスについては、(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構のホームページで詳しく説明されているので、そちらをご覧ください。

メタンハイドレートを理解していく上で、「天然ガス」という言葉が重要になりますので、ここで覚えていただければと思います。 (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構のホームページの天然ガスに関する情報をまとめると、下記のようになります。

  1. 都市ガスや発電所の燃料として利用されている。
  2. 日本で生産されている天然ガスは、消費量の3%に過ぎず、石油と同じく、ほとんどを輸入に頼っている。
  3. 温室効果ガスである二酸化炭素、大気汚染のもとになる窒素酸化物や硫黄酸化物に着目すると、天然ガス燃焼時に排出される量は、石油・石炭燃焼時の排出時の量に比べて少なく、天然ガスはクリーンエネルギーと呼ばれている。
  4. 環境にやさしいことから、天然ガスの生産・利用は、全世界的に増加している。

環境にやさしい天然ガス

環境にやさしい天然ガス


メタンと環境

二酸化炭素が地球温暖化に影響する温室効果ガスであることは、よく知られています。メタンガスも二酸化炭素同様、温室効果ガスと言われており1997年 12月に京都で開催された「気候変動枠組条約による第3回締約国会議(COP3)」で提出された「京都議定書」の中ではメタンガスが温室効果ガスとして定義されています。

温室効果ガスが地球温暖化に与える影響を数字として表したものに「地球温暖化係数(GWP: Global Warming Potential)」というものがあります。それぞれの物質が同じ量、同じ時間に、地球温暖化へ与える影響を示したもので、二酸化炭素を1として換算します。

二酸化炭素と同量で、100年間という期間で考えるとメタンの地球温暖化係数は間接効果を含めて25になります(参考:Climate Change 2007: The Physical Science Basis: IPCC Fourth Assessment Report)。

つまり、メタンは二酸化炭素に比べると25倍の温暖化効果を持つということになります。ただし、大気中のメタンの量は二酸化炭素の量の1/200程度しかありません。

また、二酸化炭素は大気中に数100年以上安定して存在しますが、メタンは 12年程度で分解してしまいます。寿命が違うということです。

したがって、温暖化の効果を単純に25倍という数字で比較することができません。しかし、天然ガスやメタンハイドレートの開発によって大気中にメタンを大量に放出させるのは好ましいことではありません。

メタンと環境について以下のようにまとめてみます。

  • メタンは地球温暖化を促進させる温室効果ガスとして定義されている。
  • 100年間という期間で見ると、メタンは二酸化炭素の25倍もの強さを持つ温室効果ガスである。
  • しかし、量や寿命の違があるので、単純に比較することはできない。
  • 天然ガスやメタンハイドレートの開発でメタンを大気中に放出させることは好ましいことではない。


メタンと天然ガスの利用

資源としてのメタン。すなわち天然ガスの利用法は、前述したとおり、都市ガス、発電所の燃料等になります。

しかし、天然ガスがクリーンエネルギーであることから、最近はガソリンではなく、天然ガスによって動く「天然ガス車」も普及し始めました。

また、話題となっている「燃料電池」の水素を作るための原材料として、天然ガス中のメタンを利用することも始まっています。


メタンハイドレート・キッズサイト

クリックすると実際のサイトが表示されます。

ここでメタンや天然ガスについて学習をした理由は、以下のためです。

  • メタンハイドレートの開発とは、メタンハイドレートから燃えるメタンを取り出すことであり、それは、天然ガスを開発することと同じである。